表の前提と読み方
この表の前提(年齢・地域・扶養が同じ)では、手取りは総支給(時給 × 働いた時間)だけで決まります。たとえば時給1,500円で月160時間働くと、総支給は240,000円、手取り(月)は191,064円です。引かれるのは、健康保険11,820円、子ども・子育て支援金276円、厚生年金21,960円、雇用保険1,200円、所得税4,480円、住民税9,200円の合計48,936円で、総支給のおよそ2割です。
総支給が同じなら、時給と時間の組み合わせが違っても手取りは同じです。時給1,500円で月120時間なら総支給は180,000円で、介護職の月給別 手取り早見表の「月給18万円・夜勤なし」と同じ145,038円になります。表にない時給や時間の人は、総支給が近い欄を見るか、月給別の早見表の同じ額の行を見てください。
40〜64歳の人は介護保険料が加わり、月160時間の場合、手取りは表より1,450〜2,781円少なくなります(表の時給の範囲)。扶養している家族がいると、所得税が少なくなります。
パートの介護職の時給の平均は?(国の統計)
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、短時間で働く人(パートなど、1日の所定労働時間が一般の労働者より短いか、1週の所定労働日数が少ない人)の1時間あたりの所定内給与額の平均は、介護職員(医療・福祉施設等)で1,361円、訪問介護従事者で1,787円でした(2025年6月分。民間の、常用労働者10人以上の企業)。所定内給与額は、残業代や深夜手当などを除いた、決まって払われる給与のことです。
この人たちが6月に働いたのは、介護職員で平均14.4日・1日5.9時間、訪問介護従事者で平均15.4日・1日3.6時間でした。この表(月120時間以上で、社会保険に入っている人)より短い時間で働く人を多く含む数字なので、表と見比べるときは、働く時間の違いに気をつけてください。
時給の人の給料の計算のしかた
時給で働く人の総支給は、基本は「時給 × その月に働いた時間」です。そこに、次のような分が足されます。
- 残業の割増:原則として、1日8時間・週40時間を超えて働いた時間には、時給の25%以上が上乗せされます(労働基準法37条)
- 深夜の割増:夜10時〜朝5時に働いた時間には、時給の25%以上が上乗せされます(同じく37条)。夜勤のある人は、介護の夜勤手当の計算方法で、1回あたりの深夜割増の目安を出せます
- 手当:処遇改善の手当や資格手当などが、時給とは別に払われることがあります。時給に含めて払われているか、別の手当として払われているかは、職場によって違います
- 通勤手当:交通費として、時給とは別に払われることがあります
この表には、割増も手当も通勤手当も入れていません。手当が別に払われている人は、手当を足した総支給が近い欄を見てください。
働く時間が少ない月に、手取りが大きく減るのはなぜ?
時給で働いていると、シフトが少ない月は総支給が減ります。ところが手取りは、総支給が減った割合よりも大きく減ることがあります。
健康保険と厚生年金の保険料は、その月の給料ではなく、「標準報酬月額」(保険料の計算に使う、給料を区切りのよい額に当てはめたもの)をもとに計算されます。標準報酬月額は、毎年4〜6月に払われた給料をもとに決まり、原則としてその年の9月から翌年8月まで変わりません(日本年金機構「算定基礎届」)。住民税も、前の年の所得で決まった額が、6月から翌年5月まで毎月の給料から引かれます。そのため、働く時間が少ない月でも、この2つは減りません。その月の給料に合わせて変わるのは、雇用保険料と所得税です。
この表は、その月の総支給が毎月続くとして計算しています。月によって働く時間が大きく変わる人や、4〜6月だけ働く時間が多かった人の手取りは、表とずれます。
社会保険に入っていない人は
自分が社会保険に入っているかは、明細の控除の欄に「健康保険」「厚生年金」の行があるかで分かります。この表は、どちらも引かれている人の手取りです。
パートや短時間で働く人が健康保険・厚生年金に入るのは、2026年10月の時点で、次の条件をすべて満たすときです(厚生労働省の社会保険適用拡大の特設サイト)。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2か月を超えて働く見込みがある
- 学生ではない
- 勤め先の従業員が51人以上(2027年10月からは36人以上。その後も、企業の規模に応じて段階的に広がります)
労働時間と労働日数がフルタイムの4分の3以上の人は、これとは別に、すでに社会保険の対象です。月120時間のように短めの時間で働く人は、勤め先の規模などの条件で、入るかどうかが変わります。
社会保険に入っていない人は、健康保険料と厚生年金保険料が明細から引かれないぶん、表より手取りが多く出ます。そのかわり、国民健康保険と国民年金の保険料を自分で払います。国民健康保険料は住んでいる市区町村と前の年の所得で決まるので、このページでは計算していません。雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあれば入ります(雇用保険法6条)。
年収にすると?(月160時間・賞与なし)
月160時間を12か月続けたときの年収(額面)と、年の手取りです。賞与・残業・通勤手当は入れていません。年の手取りは、所得税を年末調整で精算した後の額なので、月の手取り×12とは少しずれます。
| 時給 | 年収(額面) | 年の手取り |
|---|---|---|
| 1,300円 | 2,496,000円 | 2,038,260円 |
| 1,400円 | 2,688,000円 | 2,180,244円 |
| 1,500円 | 2,880,000円 | 2,322,328円 |
| 1,600円 | 3,072,000円 | 2,464,112円 |
| 1,700円 | 3,264,000円 | 2,606,196円 |
| 1,800円 | 3,456,000円 | 2,776,936円 |
| 1,900円 | 3,648,000円 | 2,918,220円 |
| 2,000円 | 3,840,000円 | 3,057,404円 |
| 2,200円 | 4,224,000円 | 3,335,372円 |
| 2,500円 | 4,800,000円 | 3,767,252円 |
よくある質問
時給が最低賃金を下回っていないか、どう確かめる?
時給だけで払われている人は、時給を、働く場所の都道府県の最低賃金と比べます。令和8年度の最低賃金は、いちばん高い東京都で1,280円(2026年10月1日から)、全国加重平均は1,177円です(上がる日は都道府県ごとに違います)。時給とは別に、資格手当など毎月決まって出る手当がある人は、手当を月の所定労働時間(月によって違う人は1年間の1か月平均)で割り、時給に足した額で比べます。残業・休日・深夜の割増と、通勤手当・家族手当・精皆勤手当は、比べる額に入れません(最低賃金法4条3項、同施行規則1条2項・2条、2021年1月の厚生労働省の通知に別添された2004年8月27日の通達)。
訪問介護で、移動の時間にも時給は出る?
厚生労働省は、事業所・集合場所・利用者の家の間を移動する時間について、会社が移動を命じていて、その時間を自由に使えない場合は労働時間に当たるとしています。例として、事業所から利用者の家へ、ある利用者の家から次の利用者の家へ移動する時間で、通常の移動にかかる程度の時間は労働時間に当たると示し、労働時間に当たる時間には賃金を払う必要があるとしています(2021年1月15日の通知)。移動の時間の賃金を介護の仕事の時間と違う額にすることは、最低賃金を下回らない範囲で、働く人と会社の話し合いで決めるものとされています(2004年8月27日の通達)。明細や勤務の記録で、移動の時間が働いた時間に入っているかを確かめてみてください。
派遣で働いている場合は?
派遣で働く人も、雇い主の派遣会社で社会保険に入っていれば、時給×時間の総支給から同じように保険料と税金が引かれます。この表は協会けんぽ(東京都)の料率で計算しているので、派遣会社が健康保険組合に入っている場合は、料率が違うぶん手取りが少し変わります。
夜勤がある月は?
夜勤がある人は、深夜の割増(夜10時〜朝5時は25%以上)や夜勤手当が足されるので、手取りは表より多くなります。夜勤1回の深夜割増の目安は介護の夜勤手当の計算方法で、夜勤込みの手取りは介護職の手取り計算(基本給の欄に時給×その月の時間、月の所定労働時間の欄に勤務表で決まっているその月の時間)で確かめられます。
次の一手
表は前提つきの目安です。自分の時給と時間で確かめましょう
同じ時給と時間でも、年齢・扶養・住む場所や、夜勤・残業があるかで手取りは変わります。介護職の手取り計算の『基本給』に時給×その月の時間を、『月の所定労働時間』(直接入力)に勤務表で決まっているその月の時間を入れると、夜勤手当や深夜割増を含めた手取りが分かります。
夜勤のある人は、1回の深夜割増が法律の目安に届いているかも、あわせて確かめておくと安心です。
出典と確認日
社会保険料・税金の料率と税額表(確認日:2026年9月29日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の協会けんぽの保険料率」(新しいタブで開きます)
- 協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「厚生年金保険料額表」(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(新しいタブで開きます)
- 総務省「個人住民税」(新しいタブで開きます)
パートの介護職の時給の平均・社会保険・最低賃金・割増賃金・移動時間・住民税のしくみ(確認日は各項目)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」短時間労働者・職種 第1表(e-Stat。介護職員(医療・福祉施設等)・訪問介護従事者の1時間当たり所定内給与額・実労働日数・1日当たり所定内実労働時間数)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月5日)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 調査の概要」(きまって支給する現金給与額・所定内給与額・年間賞与その他特別給与額・短時間労働者の定義)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月5日)
- 厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(一般の事業 本人負担 5/1,000)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
- e-Gov 法令検索「労働基準法」(第32条の2:1か月単位の変形労働時間制、第34条:休憩、第37条:時間外・休日・深夜の割増賃金)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
- 厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」(東京都 1,280円・神奈川県 1,279円・大阪府 1,231円・宮崎県 1,085円・全国加重平均 1,177円と発効日)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「最低賃金法」(第4条第3項:最低賃金と比べる賃金に入れないもの)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「最低賃金法施行規則」(第1条第2項:所定の時間を超えた労働・所定の休日の労働の賃金と、深夜の割増の分は入れない、第2条:日給・月給や月ごとの手当を1時間あたりの額に直す)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月6日)
- 厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」(残業・休日・深夜の割増、賞与など、通勤手当・家族手当・精皆勤手当は最低賃金と比べる額に入れない)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月5日)
- 厚生労働省 介護保険最新情報 Vol.912「訪問介護労働者の移動時間等の取扱いについて(周知徹底)」(2021年1月15日。別添2に2004年8月27日の通達:移動時間の賃金は最低賃金を下回らない範囲で労使の話し合いで決める)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月5日)
- 厚生労働省 社会保険適用拡大 特設サイト「社会保険加入の要件」(企業規模・週20時間以上・学生ではない・2か月を超える雇用の見込み)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- 厚生労働省 社会保険適用拡大 特設サイト「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」(労働時間と労働日数がフルタイムの3/4以上の人は、すでに社会保険の対象)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「雇用保険法」(第6条:週の所定労働時間が20時間未満の人、31日以上雇われる見込みのない人には適用しない)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- 日本年金機構「算定基礎届(定時決定のため、4月~6月の報酬月額の届出を行うとき)」(4〜6月の報酬で、9月から翌年8月までの標準報酬月額を決める)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月5日)
- 総務省「個人住民税の現年課税化について」(所得割は前年所得を基準に課税)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
- 総務省「特別徴収税額決定通知書の記載内容の秘匿」(特別徴収税額の月割額は6月から翌年5月までの12回)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
制度や料率が変わったときは、計算と解説を見直します。計算結果は概算(目安)です。
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