表の前提と読み方
夜勤専従の手取りは、1回の金額と回数を掛けた「月の総支給」で決まります。総支給が同じなら、1回の金額と回数の組み合わせが違っても、手取りは同じです。たとえば1回2.5万円で月12回と、1回3万円で月10回は、どちらも総支給30万円で、手取りは237,110円になります。
表にない金額の人は、総支給が近い欄を見てください。1回1.5万円の夜勤を月16回なら総支給は24万円で、1回2万円×月12回の欄と同じ手取り191,064円です(社会保険に入っている場合)。
この表には、残業の割増を入れていません。週40時間の職場では、実働15時間以上の夜勤に月12回以上入ると、どの長さの月でも、1か月単位の変形労働時間制で働ける時間の総枠を超えます(12回×15時間=180時間で、31日の月の総枠177.1時間より長い)。超えた時間は残業になります。常時10人未満の事業所で週44時間の特例がある職場では総枠が長くなり、実働15時間なら12回でも収まる月があります。何回までなら総枠に収まるかは、週44時間の特例のときも含めて、介護の夜勤は月何回まで?で表にしています。
40〜64歳の人は、介護保険料が加わります。月10回の例では、手取りは1,420〜2,781円少なくなります(1回2万〜4万円。45歳で計算)。扶養している家族がいると、所得税が少なくなるぶん手取りは増えます。
1回の金額が最低賃金に届いているかの確かめ方
夜勤1回の金額を、働いた時間で割ると1時間あたりの賃金になります。ただし、夜10時〜朝5時の時間にかかる深夜割増(25%以上)は、最低賃金と比べる額には入れません(最低賃金法4条3項・同施行規則1条2項)。そこで、1回の金額に深夜割増が含まれているとして、次の式で1時間あたりの賃金の目安を出します。
1時間あたりの賃金(目安)= 1回の金額 ÷(実働時間 + 夜10時〜朝5時に働いた時間 × 0.25)
これが、働く場所の都道府県の最低賃金以上かを見ます。たとえば実働15時間のうち夜10時〜朝5時に6時間働く夜勤なら、割る数は 15 + 6 × 0.25 = 16.5。1回3万円なら、1時間あたり約1,818円で、東京都の最低賃金(1,280円)より高くなります。
反対に、最低賃金に届く1回の金額の目安は「最低賃金 ×(実働時間 + 深夜の時間 × 0.25)」で出せます。
| 都道府県・最低賃金令和8年度 | 実働15時間深夜6時間(×16.5) | 実働8時間深夜6時間(×9.5) |
|---|---|---|
| 東京都1,280円10月1日から | 21,120円 | 12,160円 |
| 神奈川県1,279円10月1日から | 21,104円 | 12,151円 |
| 大阪府1,231円10月1日から | 20,312円 | 11,695円 |
| 全国加重平均1,177円(参考) | 19,421円 | 11,182円 |
| 宮崎県(最も低い)1,085円10月24日から | 17,903円 | 10,308円 |
この目安で見ると、表のいちばん上の1回2万円は、東京都・神奈川県・大阪府の実働15時間の夜勤では、目安の額より少なくなります。東京都・神奈川県・大阪府で実働15時間前後の夜勤の人は、1回2万円の行より下の行を目安にしてください。実働8時間ほどの夜勤で月10回以下だと、週20時間に届かず社会保険に入らないことがあります(下の「社会保険に入っていない人は」)。
ただ、これは1回の金額に深夜割増を25%で含めたときの目安です。夜勤手当の決め方や、実際に働いた時間によって、最低賃金と比べる額は変わります。届いていないかもしれないと感じたら、まず給与の担当の人に、1回の金額の内訳と計算のしかたを聞いてみてください。ほかの道府県の最低賃金は、出典に挙げた厚生労働省の一覧で確かめられます。
社会保険に入っていない人は
自分が社会保険に入っているかは、明細の控除の欄に「健康保険」「厚生年金」の行があるかで分かります。この表は、どちらも引かれている人の手取りです。
パートや短時間で働く人が健康保険・厚生年金に入るのは、2026年10月の時点で、次の条件をすべて満たすときです(厚生労働省の社会保険適用拡大の特設サイト)。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 2か月を超えて働く見込みがある
- 学生ではない
- 勤め先の従業員が51人以上(2027年10月からは36人以上。その後も、企業の規模に応じて段階的に広がります)
労働時間と労働日数がフルタイムの4分の3以上の人は、これとは別に、すでに社会保険の対象です。雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあれば入ります(雇用保険法6条)。
社会保険に入っていない人は、健康保険料と厚生年金保険料が明細から引かれないぶん、表より手取りが多く出ます。そのかわり、国民健康保険と国民年金の保険料を自分で払います。国民健康保険料は、住んでいる市区町村と前の年の所得で決まるので、この表では計算していません。
年収にすると?(月10回・賞与なし)
夜勤を月10回、12か月続けたときの年収(額面)と、年の手取りです。賞与・残業・通勤手当は入れていません。
| 1回の金額 | 年収(額面) | 年の手取り |
|---|---|---|
| 2万円 | 2,400,000円 | 1,952,840円 |
| 2.5万円 | 3,000,000円 | 2,400,072円 |
| 3万円 | 3,600,000円 | 2,876,260円 |
| 3.5万円 | 4,200,000円 | 3,314,492円 |
| 4万円 | 4,800,000円 | 3,767,252円 |
年の手取りは、毎月引かれた所得税を年末調整で精算した後の額です。月の手取り×12とは少しずれます。
よくある質問
1回の金額に、深夜割増は入っている?
職場の決め方によります。労働条件通知書や就業規則で、1回の金額に深夜割増を含むと決めているかを確かめてください。含める場合も、夜10時〜朝5時の時間には25%以上の割増が必要です(労働基準法37条4項)。自分の時給から深夜割増の目安を出すなら介護の夜勤手当の計算方法を使ってください。
夜勤明けの日は、休日になる?
法律上の休日(法定休日)にはなりません。法定休日は原則として午前0時から午後12時までの丸1日休むことなので、夜勤が終わった後の「明け」の日は休日に数えられません(厚生労働省・労働局「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」)。
夜勤の仮眠の時間にも、給料は出る?
呼ばれたらすぐ対応する決まりになっている仮眠や待機は、休憩ではなく働いた時間(労働時間)に当たります。厚生労働省のガイドラインでも、仕事から離れることが保障されていない待機の時間(手待時間)は労働時間とされています。 自由に過ごせて、呼ばれることのない時間だけが休憩です。
夜勤専従を始めたばかりで、住民税が表と違う
住民税は前の年の所得をもとに決まり、6月から翌年5月までの毎月の給料から引かれます。働き始めた年や、収入が大きく変わった年は、表の住民税(前の年も同じ給料だったとした概算)と違います。
次の一手
表は前提つきの目安です。回数と1回の金額を、自分の条件で確かめましょう
同じ1回の金額と回数でも、社会保険に入っているか、年齢・扶養・住む場所で手取りは変わります。回数を増やすか迷っているときは、残業にならない回数の目安もあわせて見ておくと安心です。
1回の金額に深夜割増が含まれているかは、労働条件通知書や明細で確かめられます。
出典と確認日
社会保険料・税金の料率と税額表(確認日:2026年9月29日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の協会けんぽの保険料率」(新しいタブで開きます)
- 協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「厚生年金保険料額表」(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(新しいタブで開きます)
- 総務省「個人住民税」(新しいタブで開きます)
介護の雇用保険料率・最低賃金・社会保険と雇用保険に入る条件・深夜割増・住民税のしくみ
- 厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(一般の事業 本人負担 5/1,000)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
- 厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」(東京都 1,280円・神奈川県 1,279円・大阪府 1,231円・宮崎県 1,085円・全国加重平均 1,177円と発効日)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「最低賃金法」(第4条第3項:最低賃金と比べる賃金に入れないもの)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「最低賃金法施行規則」(第1条第2項:深夜の時間の賃金のうち、通常の労働時間の賃金を超える部分は入れない)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- 厚生労働省 社会保険適用拡大 特設サイト「社会保険加入の要件」(企業規模・週20時間以上・学生ではない・2か月を超える雇用の見込み)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- 厚生労働省 社会保険適用拡大 特設サイト「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」(労働時間と労働日数がフルタイムの3/4以上の人は、すでに社会保険の対象)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「雇用保険法」(第6条:週の所定労働時間が20時間未満の人、31日以上雇われる見込みのない人には適用しない)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月2日)
- e-Gov 法令検索「労働基準法」(第32条の2:1か月単位の変形労働時間制、第34条:休憩、第37条:時間外・休日・深夜の割増賃金)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
- 総務省「個人住民税の現年課税化について」(所得割は前年所得を基準に課税)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
- 総務省「特別徴収税額決定通知書の記載内容の秘匿」(特別徴収税額の月割額は6月から翌年5月までの12回)(PDF)(新しいタブで開きます)(確認日:2026年10月1日)
制度や料率が変わったときは、計算と解説を見直します。計算結果は概算(目安)です。
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