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現場で働く人の給料電卓

介護2026年10月時点の法令

更新・労働基準法と厚生労働省の資料で確認

介護の夜勤は月何回まで?|法律に回数の上限はなし。残業にならない回数の目安を、月の日数と夜勤の実働時間で

来月の勤務表を受け取って、夜勤の欄を数えてみたとき。「こんなに入って大丈夫かな」「法律で何回までと決まっていないのかな」と思うことがあるかもしれません。先に答えを書くと、介護職の夜勤の回数そのものに、法律の上限はありません。決まっているのは、働く時間の総枠と、休憩・休日・残業のルールです。このページでは、その総枠を夜勤1回の実働時間で割って、残業にならない回数の目安を出します。

残業にならない回数

答えの要点

  • 労働基準法に、介護職の夜勤の回数の上限を決めた条文はありません
  • 1か月単位の変形労働時間制では、月に働く時間の総枠は「40時間×その月の日数÷7」(30日の月は171.4時間、31日の月は177.1時間)
  • 実働15時間の夜勤なら、総枠に収まるのは月10〜11回。超えた時間は残業で、36協定と割増が要ります

夜勤1回の実働時間別・残業にならない回数の目安(週40時間の職場)。日数の下の数字は、その月の総枠(時間)

夜勤1回の実働時間別・残業にならない回数の目安(週40時間の職場。1か月単位の変形労働時間制の総枠)
実働28日160.029日165.730日171.431日177.1
16時間10回10回10回11回
15時間10回11回11回11回
14時間11回11回12回12回
12時間13回13回14回14回
10時間16回16回17回17回
8時間20回20回21回22回

夜勤だけで総枠を使った場合の回数です。日勤がある人は、日勤の時間も同じ総枠に入ります。実働時間は、勤務の始まりから終わりまでの時間から休憩を引いた時間です(呼ばれたらすぐ対応する仮眠は休憩に入りません)。黄色の線の行(実働15時間)が、要点の例です。

法律に夜勤の回数の上限はある?

労働基準法には、介護職の夜勤(深夜業)の回数を制限する条文はありません。法律が決めているのは、働く「時間」のルールです。

  • 働く時間は、1週40時間・1日8時間まで(32条)
  • 1か月単位の変形労働時間制なら、月の平均で週40時間以内に収めれば、勤務表で決めた日に8時間を超えて働かせられる(32条の2)
  • 休憩は、働く時間が8時間を超えるときは1時間以上(34条)
  • 休日は、毎週1回、または4週間で4日以上(35条)
  • 残業には36協定が要り、上限がある(36条)
  • 夜10時〜朝5時に働いた時間には、25%以上の深夜割増(37条4項)

夜勤が月何回になるかは、この時間のルールの範囲で、職場の勤務表によって決まります。

残業にならない回数の目安(1か月単位の変形労働時間制)

総枠の出し方

16時間前後の夜勤は、1日8時間を超えます。それでも勤務表どおりなら残業にならないのは、1か月単位の変形労働時間制(労働基準法32条の2)で、夜勤の日の時間を勤務表で先に決めている場合です。変形労働時間制は、月の中で長く働く日と短い日を勤務表で先に決めて、月の平均で週40時間に収めるしくみのことです。

自分の職場がこのしくみかは、就業規則や労働条件通知書の「労働時間」の欄で確かめられます。このしくみで1か月に働かせてよい時間の上限(総枠)は、40時間×その月の日数÷7です。30日の月なら171.4時間、31日の月なら177.1時間になります。

実働時間の数え方の例

16時30分から翌9時30分まで(17時間)の夜勤で、休憩が2時間なら、実働は15時間です。30日の月なら11回で165時間になり、総枠171.4時間に収まります(残り6.4時間)。

30日の月・実働15時間の夜勤を、総枠に並べると

総枠 171.4時間
夜勤1〜11回目:165時間。総枠に収まる(残り6.4時間)12回目:総枠を8.6時間超える。超えた時間は残業

日勤もある人は

夜勤と日勤を組み合わせる人は、日勤の時間も同じ総枠に入ります。たとえば30日の月に実働15時間の夜勤を4回(60時間)入ると、残りは111.4時間で、実働8時間の日勤なら13日分です。

10人未満の事業所(週44時間の特例)

常時10人未満の病院・社会福祉施設などには、週44時間まで働かせられる特例があり(労働基準法施行規則25条の2)、1か月単位の変形労働時間制でも44時間で総枠を計算できます。総枠は30日の月で188.5時間、31日の月で194.8時間。実働15時間の夜勤なら、28日の月は11回、29〜31日の月は12回が目安です。

週44時間の特例のときの回数の目安(表)
週44時間の特例のときの回数の目安
実働28日176.0時間29日182.2時間30日188.5時間31日194.8時間
16時間11回11回11回12回
15時間11回12回12回12回
14時間12回13回13回13回
12時間14回15回15回16回
10時間17回18回18回19回
8時間22回22回23回24回

目安を使うときの注意

総枠に収まっていても、勤務表で決めた時間より長く働いた日や週は、その超えた時間が残業になることがあります(静岡労働局の資料)。変形労働時間制をとっていない職場では、1日8時間を超えた時間は残業です。

また、1年単位の変形労働時間制では1日10時間が限度なので(労働基準法施行規則12条の4第4項)、16時間の夜勤を勤務表で決めるには、1か月単位の変形労働時間制などのしくみが要ります。深夜割増は、残業かどうかに関係なく、夜10時〜朝5時の時間にかかります。1回分の深夜割増の目安は、介護の夜勤手当の計算方法で計算できます。

夜勤の時間の数え方(休憩・仮眠・夜勤明け)

日付をまたぐ夜勤は、日付が変わっても1回の勤務として、始まった日の労働として数えます(厚生労働省の通達。徳島労働局の資料)。夕方に入って翌朝に終わる夜勤は、入った日の1日分の勤務です。

休憩と仮眠:呼ばれたらすぐ対応する決まりの仮眠や待機は、休憩ではなく働いた時間です(厚生労働省のガイドライン)。勤務表の休憩が2時間でも、その間にナースコールに出る決まりなら、実働はそのぶん長くなります。

夜勤明け:法律の休日(法定休日)は、原則として午前0時から午後12時までの丸1日です。夜勤明けの日は休日に数えられず、24時間続けて休んでも、丸1日の暦日を含まなければ原則として休日にはなりません(厚生労働省・労働局の資料)。

総枠を超えたら残業(36協定と上限)

総枠を超えて働いた時間は、時間外労働(残業)です。会社が働く人の代表と36協定を結んで届け出ていなければ、残業はさせられません(労働基準法36条1項)。協定があっても、残業は原則として月45時間・年360時間まで(同4項)。臨時の特別な事情があるときでも、年720時間以内、休日労働と合わせて月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内などの上限があります(同5項・6項)。残業した時間には、25%以上の割増を払う決まりです(37条1項)。

介護の仕事には、この一般の上限が2019年4月(中小企業は2020年4月)から適用されています。自分の残業が上限の内側かは、介護職の手取り計算の上限チェックで確かめられます。

夜勤を断れる・減らせる決まりがある人

  • 妊娠中・産後1年以内の人:請求すると、深夜業をさせてはいけない決まりです(労働基準法66条3項・64条の3)。
  • 小学校に入る前の子を育てている人、要介護状態の家族を介護している人:請求すると、夜10時〜朝5時に働かせてはいけない決まりです(育児・介護休業法19条・20条)。1回の請求で1か月以上6か月以内の期間を決め、始める日の1か月前までに請求します。勤めて1年未満の人などは対象外で、事業の正常な運営を妨げる場合は例外があります。

ここでいう「介護」は、仕事の介護ではなく、自分の家族の介護のことです。

よくある質問

「月8回まで」と聞いたけど、法律で決まっている?

介護職の夜勤の回数について、法律で「月◯回まで」と決めた条文はありません。ほかの職種向けの基準や団体の指針の数字が紹介されていることがありますが、介護施設で働く人に法律で当てはまる上限ではありません。回数の目安は、このページの総枠の表で確かめてください。

夜勤専従だと、何回まで入れる?

考え方は同じです。夜勤だけで総枠を使うので、上の表がそのまま目安になります。週40時間の職場で実働15時間なら月10〜11回で、それを超える回数では、総枠を超えた時間が残業になります(10人未満の事業所で週44時間の特例がある職場は、特例のときの表を見てください)。回数ごとの手取りは介護の夜勤専従の回数別 手取り早見表にまとめています。

夜勤が多いと、健康診断はどうなる?

夜10時〜朝5時の仕事(深夜業)を含む業務に常に就いている人には、配置替えのときと、6か月以内ごとに1回、事業者が健康診断を行う決まりがあります(労働安全衛生規則45条)。

勤務表が月の途中で変わるのは?

1か月単位の変形労働時間制では、各日・各週の労働時間を、期間が始まる前に勤務表で決めておく必要があります。「ある日長く働いたから、翌日を短くして帳尻を合わせる」という扱いはできないとされています(長野労働局の資料)。気になるときは、就業規則の勤務表の作り方の決まりを見てみてください。

18歳未満でも夜勤に入れる?

介護などの保健衛生の事業は、18歳未満の人を夜10時〜朝5時に働かせてはいけない決まりの対象外なので、深夜業そのものはできます(労働基準法61条4項)。ただし、1か月単位の変形労働時間制は、18歳未満の人には使えません(同60条1項)。このページの総枠の考え方は当てはまらず、16時間前後の夜勤を勤務表で組むことはできません。

次の一手

回数の目安が分かったら、手取りも見てみましょう

夜勤を1回増やすと手取りがいくら変わるかは、夜勤の回数を変えて計算できます。総枠を超えた残業が続いているときは、1年の残業が上限の内側かどうかも確かめておきましょう。

勤務表や残業の扱いで気になることがあれば、まず職場の担当の人に聞いてみてください。都道府県の労働局などにある総合労働相談コーナーでも、無料で相談できます。

出典と確認日

制度や料率が変わったときは、計算と解説を見直します。計算結果は概算(目安)です。