「施工管理」の数字はどれ? 統計の職種との関係
賃金構造基本統計調査には、「施工管理」という名前の職種はありません。厚生労働省が公表している「役職及び職種解説」では、建築施工管理技術者と建築現場監督は「建築技術者」に、土木施工管理技術者と土木現場監督は「土木技術者」に含まれる職種として例に挙がっています。どちらの職種の仕事の説明にも「施工管理」が入っています。このページでは、この2つの職種の数字を、施工管理の年収の目安として使っています。
ただし、言い切れないところもあります。「建築技術者」には建築士や設計の技術者も、「土木技術者」には道路や橋などの設計の技術者も含まれます。統計からは、そのうち施工管理の人がどれくらいの割合なのかは分かりません。ここに並べた数字は「施工管理の人だけの平均」ではなく、「施工管理の人を含む、建築・土木の技術の仕事をする人の平均」として読んでください。
統計の対象にも決まりがあります。数字は、民間の事業所で、常用労働者が10人以上の企業に勤める人のもので、パートなど短時間で働く人は入っていません。正社員でない人(期間を決めて雇われている人など)や、役職のある人も入っています。ただし、部長・課長などで主に組織の経営・管理の仕事をする人は、統計では「管理的職業従事者」という別の職種に分けられます。
なお、電気工事の施工管理技術者は、統計では「電気・電子・電気通信技術者」という別の職種に入ります。この職種の例に挙がっているのは、多くが電気機器の設計や製造の技術者なので、このページでは使っていません。電気工事士の人の手取りは、電気工事士の年収別 手取り早見表で確かめられます。
20代・30代・40代・50代の平均年収
年代で見ると、年収は20代後半から30代にかけて大きく上がります。建築技術者では、20〜24歳の約411万円から、25〜29歳で約551万円、30〜34歳で約636万円です。土木技術者も、約435万円、約555万円、約599万円と上がっていきます。
30代後半から40代は、建築技術者で約710万〜765万円、土木技術者で約625万〜686万円です。土木技術者は、40〜44歳(約625万円)が35〜39歳(約668万円)より低く出ています。この統計は全国から選んだ事業所の人を調べたものなので、年齢を細かく区切ると人数が少なくなり、こうした上下が出ることがあります。
いちばん高いのは、どちらも50代後半で、建築技術者が約880万円、土木技術者が約735万円です。60〜64歳になると、どちらも下がります(約743万円・約646万円)。
自分の年代の平均より低かったとしても、それだけで落ち込む必要はありません。平均は、一部の給与の高い人に引っぱられて、真ん中の人よりも高く出やすいからです。たとえば建築技術者の毎月の給与(残業代などを除く)は、平均が407,500円、真ん中の人が368,500円です(よくある質問の「中央値」も見てください)。比べるときは、次の「年収の中身」と「会社の規模」もあわせて見てみてください。
年収の中身(毎月の給与・残業代・賞与)
統計の年収は、「毎月の給与 × 12か月 + 賞与」で出しています。毎月の給与は、6月分として払われた給与で、基本給・手当・残業代・通勤手当などを合わせた、税金や保険料を引く前の額です(統計の言葉で「きまって支給する現金給与額」)。賞与は、前の年の1月〜12月に払われた賞与や期末手当などの合計です(「年間賞与その他特別給与額」)。
下の表の「うち残業代など」は、時間外・深夜・休日出勤などの手当です(「超過労働給与額」)。建築技術者では、25〜29歳と30〜34歳の6月の残業時間が月28時間といちばん多く、毎月の給与のうち残業代などは70,300円・75,800円でした。
| 年齢 | 毎月の給与 | うち残業代など | 6月の 残業時間 | 賞与など (前の年) |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 304,400円 | 41,000円 | 20時間 | 461,900円 |
| 25〜29歳 | 382,100円 | 70,300円 | 28時間 | 924,500円 |
| 30〜34歳 | 440,000円 | 75,800円 | 28時間 | 1,083,100円 |
| 35〜39歳 | 461,100円 | 64,200円 | 20時間 | 1,568,200円 |
| 40〜44歳 | 495,700円 | 56,600円 | 18時間 | 1,526,400円 |
| 45〜49歳 | 495,600円 | 40,700円 | 13時間 | 1,702,100円 |
| 50〜54歳 | 521,500円 | 36,100円 | 11時間 | 1,826,100円 |
| 55〜59歳 | 575,400円 | 32,800円 | 10時間 | 1,891,200円 |
| 60〜64歳 | 502,600円 | 25,800円 | 8時間 | 1,400,600円 |
| 年齢 | 毎月の給与 | うち残業代など | 6月の 残業時間 | 賞与など (前の年) |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 305,300円 | 35,900円 | 16時間 | 688,700円 |
| 25〜29歳 | 366,800円 | 58,400円 | 24時間 | 1,152,500円 |
| 30〜34歳 | 395,200円 | 52,200円 | 18時間 | 1,247,700円 |
| 35〜39歳 | 441,800円 | 50,900円 | 16時間 | 1,383,300円 |
| 40〜44歳 | 411,300円 | 39,400円 | 14時間 | 1,317,100円 |
| 45〜49歳 | 445,700円 | 29,800円 | 9時間 | 1,509,200円 |
| 50〜54歳 | 476,500円 | 29,600円 | 9時間 | 1,546,100円 |
| 55〜59歳 | 482,300円 | 23,200円 | 7時間 | 1,564,600円 |
| 60〜64歳 | 445,100円 | 18,300円 | 5時間 | 1,121,800円 |
気をつけたいのは、6月の1か月分の給与をもとにしていることです。工期の山や繁忙期で、残業が多い月と少ない月がある人は、6月の残業代が1年続いたとした年収とずれます。
会社の規模で見た平均年収
| 会社の規模(常用労働者の数) | 建築技術者 | 土木技術者 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 約860万円42.0歳・月23時間 | 約760万円41.9歳・月21時間 |
| 100〜999人 | 約659万円40.4歳・月23時間 | 約655万円42.3歳・月17時間 |
| 10〜99人 | 約585万円46.6歳・月10時間 | 約563万円49.1歳・月6時間 |
| 10人以上の計 | 約679万円43.4歳・月17時間 | 約625万円46.0歳・月12時間 |
会社の規模で分けると、差ははっきりしています。建築技術者では、1,000人以上の会社が約860万円、10〜99人の会社が約585万円で、約275万円の差があります。土木技術者でも、約760万円と約563万円です。
ただし、規模ごとに平均年齢と残業時間も違います。10〜99人の会社は、平均年齢が高めで(建築技術者46.6歳・土木技術者49.1歳)、6月の残業時間は短め(月10時間・6時間)でした。年齢や残業の違いもまじった差なので、「会社の大きさだけで決まる差」とは読まないでください。
平均より低いと感じたら、比べる前にそろえたいこと
自分の年収を平均と比べるときは、比べ方をそろえると、差の意味がはっきりします。
- 残業代と賞与を入れたか:統計の年収には、残業代と賞与が入っています。明細の総支給(残業代を含む)の12か月分に、賞与を足した額で比べてください
- 年齢と会社の規模をそろえたか:上の表の、自分に近い年代と規模の数字と比べてください
- 残業の時間に見合う残業代が出ているか:残業が多いのに残業代が少ないと感じたら、固定残業代(みなし残業代)で払われていないか、明細を確かめてみてください。固定残業代チェッカーで、超えた分の目安が分かります
- 休みの日数:年間休日が少ないと、同じ年収でも1時間あたりの給料は下がります(建設の年間休日と手取りの関係)
比べてみて、それでも気になる差があるときは、会社の給与の決まり(賃金規程)を見たり、給与の担当の人に計算のしかたを聞いたりすることもできます。自分の数字を手元にそろえておくと、話がしやすくなります。
手取りの計算の前提
- 年収を「毎月の給与 × 12か月」と「賞与(年2回に分けて払われるとした)」に分けて、令和8年度(2026年度)の保険料率と税額表で計算しています
- 東京都(協会けんぽ)、扶養なし。年齢は、その年齢階級の中の年齢(20〜24歳なら22歳)で計算し、40〜64歳は介護保険料が加わります。全年齢の平均の行は、平均年齢の歳(建築技術者43歳・土木技術者46歳)で計算しています
- 雇用保険料は、建設の事業の率です
- 統計の毎月の給与には通勤手当も入っていて、分けて取り出せません。この計算では全額に所得税がかかるとしているので、通勤手当がある人の実際の手取りは、少し多くなることがあります
- 住民税は、前の年も同じ年収だったとした概算です。手取り(年)は、所得税を年末調整で精算した後の額です
年収が高いほど、手取りの割合は下がります。この表では、20〜24歳の建築技術者で年収の約79%、55〜59歳で約72%です。扶養している家族がいる、住んでいる場所が違うなど、自分の条件で確かめるときは施工管理の手取り計算を使ってください。
よくある質問
施工管理の年収の中央値は?
賃金構造基本統計調査には、職種ごとの年収の中央値(金額の順に並べたとき真ん中にいる人の額)はありません。職種ごとに出ているのは、残業代などを除いた毎月の給与(所定内給与額)の中央値で、建築技術者が368,500円、土木技術者が361,300円です。同じ給与の平均(407,500円・384,100円)より低く、平均は一部の給与の高い人に引っぱられて高めに出ています。年収の中央値はこの統計から計算できないので、このページでは出していません。
女性の施工管理の平均年収は?
施工管理の人が入る建築技術者・土木技術者(設計の人なども含みます)には、年代を分けない男女別の数字があります。建築技術者は女性が約526万円(平均36.8歳)、男性が約704万円(平均44.5歳)、土木技術者は女性が約485万円(平均38.2歳)、男性が約637万円(平均46.7歳)です。女性のほうが平均年齢が8歳前後若く、勤続年数も短い(建築技術者で女性8.1年・男性13.7年)ので、この差には年齢や勤続年数の違いもまじっています。
1級・2級の施工管理技士の資格があると、年収は違う?
この統計には、資格の有無で分けた数字はありません。資格手当の額は会社ごとに違うので、自分の明細の資格手当を施工管理の手取り計算の手当の欄に入れて、手取りがいくら変わるかを確かめてください。
この統計の数字は、いつの給与?
令和7年の調査(2026年3月24日公表)で、毎月の給与は2025年6月分、賞与は2024年1月〜12月に払われた分です。この統計は毎年公表されるので、新しい結果が出たら、このページの数字も見直します。
平均年収の数字が、記事によって違うのはなぜ?
何をもとにした数字かが違うからです。国の統計か、転職サービスに登録した人のデータか。残業代や賞与を入れているか(残業代を入れない毎月の給与で比べている数字もあります)。職種をどう区切っているか。このページは、国の統計の、残業代と賞与を入れた年収で、職種の区切りは「統計の職種との関係」に書いたとおりです。
次の一手
平均と比べる前に、自分の年収と手取りを同じ形で出してみましょう
平均の年収には、残業代と賞与が入っています。給与明細の数字(基本給・手当・残業時間)と賞与を入れると、同じ形の年収と、自分の条件での手取りが分かります。
年収の額から手取りだけを知りたいときは、年収別の早見表がすぐ見られます。
出典と確認日
年収の数字(確認日:2026年10月5日)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(e-Stat。第1表:職種・性別、第5表:職種・年齢階級別、第17表:所定内給与額の分布特性値。建築技術者・土木技術者の行)(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職及び職種解説」(建築技術者・土木技術者・電気・電子・電気通信技術者・管理的職業従事者に含まれる職種の例)(PDF)(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 調査の概要」(きまって支給する現金給与額・所定内給与額・年間賞与その他特別給与額・短時間労働者の定義)(PDF)(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 利用上の一般的注意」(民営の事業所・企業規模10人以上・サンプルサイズが少ないと誤差が大きくなること)(PDF)(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(新しいタブで開きます)
手取りの計算の料率と税額表(確認日:2026年9月29日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の協会けんぽの保険料率」(新しいタブで開きます)
- 協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「厚生年金保険料額表」(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省「雇用保険料率について」(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(新しいタブで開きます)
- 総務省「個人住民税」(新しいタブで開きます)
- 総務省「個人住民税の現年課税化について」(所得割は前年所得を基準に課税)(PDF)(新しいタブで開きます)
- 総務省「特別徴収税額決定通知書の記載内容の秘匿」(特別徴収税額の月割額は6月から翌年5月までの12回)(PDF)(新しいタブで開きます)
統計の数字は毎年1回、料率や税額表は年度ごとに見直します。手取りは概算(目安)です。
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